初捌きと選択の見直し

<< contents 暑ぅ〜〜〜いのだ!いよいよ来たのか、ニューヨークの夏?!体がとろけぇ〜るチーズみたいに力が入らんのだ!(でもまだ風があるから助かってるけどさ)みんなもクーラーのつけ過ぎで風邪もしくはクーラー病になるなよ!さぁ〜てと、今日も書きまくるぞぉ〜!よっしゃぁ〜!

「てく、てく、てく、てく、てく...。あと、お店までどのくらいあるのかなぁ〜?」と思いつつ、猛暑の中、夏ばて寸前の重ぉ〜い体を引きずってひたすら歩いて行く。そう、俺の使っている地下鉄の電車はお店のすぐ側には止まらず、ちょうど中間地点なので駅から歩かなくてはならないのだ。天気の良い日は散歩気分で気持ちがいいのだが、それ以外は地獄の道のりと化す。ブロードウェイを真直ぐにアップタウンに向かって歩いていてふと思った。「こんな平日の午後2時半過ぎにおしゃれして歩いている人は、普段どんな仕事をしているのだろうか?それとも職無し?それにしてもすごい人の数だ。」こんな他愛もないことを考えながら毎日お店まで歩いていくのだ...。そしてまた俺の長ぁ〜い1日が始まる。

今日のお店は、平日にもかかわらずたくさんのお客さんが来てくれたのだ!忙しい方が自分に向いているのをあらためて実感して、急にパワーがみなぎってきて仕込みもサクサクとこなせたのだ!そして、な、なんと今日初めてフィレミニヨンを塊からさばかせてもらったのだ!今まではチーフがさばいてくれていて、その後の「ベーコンぐるぐる巻き」を俺が担当していた(日によって仕事内容は違うのだが)。しかし今日はあの夢にまで見た、か、塊から...。嬉しくて嬉しくてたまらなかったのだ!でも値段の高い肉だったのですごぉ〜く緊張してしまって上手く包丁が使えなかった。次は頑張って上手く出来るように頑張るぞぉ〜!(それと今日初めて「あの餃子」が完売になった!凄すぎるぅ〜!)

お店が終わり、この店を紹介してくれた俺の友人が迎えに来てくれて1杯飲む事になり近くの居酒屋に向かった。店の中に入ると平日のこの時間は結構すいてるはずだが何だか様子が変だ。それもそのはず、他の店の従業員や常連さんで盛り上がっているではないか。(だいたい午前0時過ぎに大概の店は閉るため)そして、「今どこどこで働いているだれだれです!」と紹介され、こちらもそんな感じで自己紹介を相手にするのだ。何か不思議な気分になってきた。ニューヨークにおける日本人社会はみんなに言わせるとかなり狭く、横つながりがある。本当にびっくりする程何かでつながっている。例えば「だれだれちゃんの彼氏はどこどこレストランで働いて、その友達のルームメイトとだれだれちゃんが付合っているらしい」という具合なのだ。特にマンハッタンは小さい街なので余計に自分の知らない所でもっと恐ろしいつながりがあるに違いないと思った。さながら「ニューヨークデビュー」を俺は今回してしまったらしい。それに俺は奥の厨房にいる訳ではなく、客席の中のオープンキッチンで働いている訳だから、それこそ「ニューヨークの新人歌手」ばりの宣伝効果が期待できるだろう。こういう状況を生かすも殺すも自分次第という事になる。でも、俺にこの状況を上手く使いこなせるのだろうか?何だかその事を考えるとひどく疲れ、いつも見張られている感じがして、俺の中の自由感を圧迫して気分が悪くなるのは俺だけだろうか?

人と人とのつながりは人間として生まれてきた以上避けて通る訳にはいかないが、こういう表に出て行く付合いに俺は慣れていけるのだろうか?何せ今までは机と紙とペンとのにらめっこを十数年以上も続けて来た訳だから...。最終的にたどり着くのは「信じられるのは自分自身だけ」だと分っていても、それだけでは何だか寂しい気がするし、温かみもない。
かといっていろいろな人とかかわっていくと、それはそれで自分を見失い、人の事ばかり気になって何だか疲れて時々一人になりたくなる。要は「人とかかわって助けあって生きるタイプ」か「自分は自分だからなるべくなら人の手は借りたくないタイプ」とあるがあなたはどちらのタイプなのだろうか?この選択の違いは多いにあなたの生き方を変えるきっかけとなるはず。しかし時には仕事、恋愛、家族、友人、お金...と目的によっては選択権がなく自分の本当に行きたい方に行くのはかなり困難な時もある。
みんなで少し7月いっぱいを使って自分の選択について考えてみてほしい。
俺も俺で考えてみたいと思うので...。それじゃ〜!またな!