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マラソンランナーと心の一歩 |
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みんなぁ〜!バリバリ食って、グゥ〜グゥ〜寝てるかぁ〜!前に「クーラーのつけ過ぎで風邪引くなよぉ〜!」って言っておいて自分がなってしまったのだ。(ゲホッ、ゲホッ、ヘックショォ〜〜〜ン!ズゥ〜ルズル)だけど不思議な事にお店に行って暑い所で仕事して汗を思いっきりかくと、お店が終わる頃には風邪が治ってたりするんだよね。まさにこれって「病は気から」なのかもしれない。さぁ〜てと、今日は何の話をしようかな?うんうん。おぉ〜来た来た、書くぞぉ〜!行けぇ〜〜! 今日のお店は超混雑でまたもやお店でマラソンランナー状態だった。「ソース、ソース!お皿、お皿!ステーキをひっくり返して、餃子にお水、お水!あれっサラダがなぁ〜い!地下室、地下室!やべっ、ステーキ!いやっ牛のたたきのカットが先だ!ガーリック揚げてない、もう餃子もステーキも焼けてる!チーフ!そろそろ出まぁ〜す!バタバタ、バタバタ...」こんな事を数時間やっている。本当に一度「万歩計つけたろかぁ〜と」思うぐらい走るぅ〜走るぅ〜俺ぇ〜たぁ〜ちぃ〜って感じなのだ。(ちなみに俺は大阪出身ではないのだ!でも、表現は自由なのだ!)くだらん事、言ってないで本題に行こう!ぶぅ〜〜〜〜〜んだ! お店が終わり、「お疲れ従業員トークタイム!」と、バーカウンターに座って一杯飲む。続々と仕事が終わったメンバーが「お疲れでぇ〜す!」と声をかけながら奥の厨房から姿を現わす。「今日は忙しかったねぇ〜」『本当に疲れたぁ〜お疲れぇ〜』仕事の後のみんなの顔は疲れてはいるがスッキリしていて俺は何だかとても好きだ。「好きだ」というより、見てるとすごく心地がいい。そうこうくつろいでいるとウエイトレスの女の子がスキップしながらこっちへやって来た。「ねぇ〜ねぇ〜聞いて!あたしってさぁ〜最近いろいろ考え過ぎて前へ進めないんだよねぇ〜。きっと、何かに飛び込んでみて、もしハマったらすごぉ〜く頑張れると思うんだけど...。いまいちこれだって思うのに出会わないんだよねぇ〜。こんなにやる気も元気もありあまる程持っているのに。」と彼女は鼻息を荒くし目をキラキラさせながら語りかけてきた。彼女は見た目にもサバサバしていていつも元気、その上ルックスもスタイルも申し分ない。ただきっかけがないのだ。この店、いやニューヨークでどの仕事をしてる人も必ずっていっていい程一つや二つは夢や希望を持っていると思う。「いつか必ず掴んでみせる!その日までは...」だから自分の分野ではない仕事でも頑張って働いていけるのではないだろうか。ただでさえ、日本で生きていくのも厳しいのに言葉の違いや習慣の違いなど自分の想像を遥かに超える出来事が次から次と押し寄せるこの街で日々戦っている。(俺もその一人ではあるけれど...)何だか話を聞いていて切なくなってくるのは俺だけだろうか?「だったら、日本へ帰ってくれば...」と言われそうだがここまで来たらそうもいかない。それは意地でも見栄でもない。ただ納得がいかないだけなのだ。こんなふうに毎日考えて一日があっという間に過ぎて行く。この手の人は何でもやれば出来るが「やりたい」と思う事が多すぎてなかなか選択や結論がだせないタイプなのだ。しかし唯一俺からしてあげられるアドバイスは「いっぱいある中の一つ興味があるものをまずは一生懸命後悔しないようにやってみてダメなら次に行ってみる。また頑張って行ってみる。また頑張って...とキリがないように見えるが、きっと過去に経験した事がいつか今の自分を助けてくれる日が来ると思う。そう要するに何をしたとしても愚痴や自分を避難する事がなく素直に物事と現実を把握し前向きに生きてみる。そして頑張ったら頑張った自分をほめてやる」としか言ってあげられないだろう。とにかくやってみることだ。頑張れよぉ〜! たぶん同じ悩みを持っている人は世の中にたくさんいると思うがこの壁を一人で乗り越えた時きっと自分では知らなかったもう一人の自分を知る時なのだろう。それは、格好わるいダメな自分でも、生き生きした自分でも、どんな自分も自分なのだから...。 |