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オープン記念と噂の仲間

<< contents みんなぁ〜!やった、やった、やったぁ〜のだ!今日は楽しいインディペンデンスデー(7月4日はアメリカ独立記念日)なのだ!という事は「シェフの道」のホームページのスタートの日でもあるのだぁ〜。(大拍手!)もう早い人は見てくれたと思うけど、どう、どう、どう?いい感じ?声が低くて聞こえんのだ。まっ、そのうち山びこの様に聞こえてくるのを待つとするかな。みんなの友達にもドンドンジャラジャラ紹介してくれたら嬉しいぃ〜〜〜ぞぉ〜〜〜!そして大いに笑って、大いに語ってくれ!それじゃ今日も小話を一つ。って落語じゃなぁ〜〜〜〜〜い!とにかく読んでくれ!

今日の仕事は2、3日前から緊張していた「チーフじゃない人と初仕事!」だったのだ。この1ヶ月半チーフとしか仕事をしてなかったので、それはもうかなりの緊張で、初めてこの店で働いた時の事を思い出さずにはいられなかったのだ。心臓はドキドキしてるし、頭の中で「どんな人だろう?いい人だったらいいなぁ〜、気が合えばいいなぁ〜」などと考えていて落ち着きの無い自分が少しイヤになってしまった。しかし仕事は仕事、「別に友達を作りに仕事をしてる訳じゃないし、性格が合わなくたってここまで来たらやるしかないでしょう!」と開き直る自分もいたりして何だか不思議な気分になってしまった。(こういうのをドギマギするというのかな?分からんのだ!)それに彼は年下だし...。俺がこの年令な訳だから、当然、年下に仕切られる覚悟はしていたものの何だか初めての事でどうやら動揺しているらしい。そんなこんなで心の中でブツクサ言いながらお店に向かった。

お店に着いて中に入るといつものメンバーがすでに仕込みに取りかかっていて彼の姿は無かった。(実は彼とは初体面ではなく、以前プライベートでお店に食べに来た時にすでに挨拶だけはお互いに交わしている)いそいそと更衣室で着替えをして「さぁ〜仕事、仕事」と気合いを入れて2階に上がろうとした瞬間、彼と階段で会った。とりあえずお互いにお約束の「おはようございます!」と挨拶した。彼も着替えが終わりいよいよ仕込み開始だ!「とりあえず何からしましょうか?餃子いっときますか?」と言うと物凄い仕切り言葉で命令が俺に飛んで来たのだった。あっけに取られてる間もなく仕込みはどんどん続いていった。仕込みが終わってまかないを一緒に食べている時にやっとお互いの事について質問が始まり少し心が和んできた。そしてお店もオープンしていよいよ戦闘開始!時間がたつにつれてお客さんもジワジワと増えてきて、ステーキの伝票もずらりと並び、「これってもしかして大忙し?!」と思った瞬間、息付く暇もない忙しさが数時間あまり続いて、てんてこまぁ〜い!もうこうなれば彼の事を気にしてる自分はどこかへ吹っ飛んで消えてしまい、いつしかいつもチーフとやっている時と同じ状況に頭も体も変わっていた。「同じ料理でも10人シェフがいれば10通りの料理になる」と誰かが言っていたが、彼も同じメニューで仕事をしてる訳だが彼は彼なりのセンスや腕を持っていて中々勉強になったし、その真剣さが俺には心地良かった。最後には2人とも同志の様になり無事仕事は終った。帰りにお客さんから頂いた少しのワインを飲み干し、偶然帰る方向がいっしょだったので帰った。本当にいい人で良かった、良かった!

でも気持ち良かったなぁ〜!「初心忘るべからず」とはまさにこれだったのだ。いつもチーフや同じメンバーで仕事していると料理に取り組む気力が失われていく様な気がして時々恐くなる。(この意味はいわゆる「慣れ」が自分自身の気力を失わせるであって、「誰かによって」ではない)自分ではいつもまだまだ頑張って覚えていくぞぉ〜なんて思っていても人間はそう簡単にはいかない。レストランは人と関わって仕事をしなくてはならない事は分っていたし、俺は以前までは1人で自宅勤務だったので自分なりに想像して頭の中で2つにいつしか区別していた。しかしこの「気力」ってヤツだけはどうやら同じらしい。自分が1人で仕事をしようとも、大勢の輪の中で仕事をしようとも気力は自分で常に作り続けなければならない事を今日はしみじみと分った。たまには違う人と仕事して新しい空気を吸ってみるのも快適とは言えないがいいものだ。その刺激が自分に「もう一度気合い入れて頑張れよ」って言ってくれた様な気がして少し興奮ぎみで床についた。