leaf
いよいよメインとこのバチ当たりが!

<< contents 今日も天気が良すぎて眠いのだぁ〜!(思いっきり、あくびぃ〜!ふがぁ〜!涙目。)こんなに天気がいいと何だか気持ち悪いのだ。なぜって?それはニューヨークはどちらかと言うと天候のバランスがあまり良く無いと思う。晴れかと思いきや、急に雨と雷が半端じゃないくらいの大きさで襲って来ちゃったり、そう思っているとまた、急に何事も無かったかの様に晴れている。そして、今ニューヨークはこんなに暑くなっているが夏が異常に短いのだ!だから秋が来たかな?って思う間もなく突然、冬がやって来る。本当に四季はあるもののそれぞれの季節をゆっくりと味わう事ができない地域だ。秋がいきなり来ない前にエンジョォ〜〜〜イしちゃうのだ!

さてと、今日からお店に1時間の早出になり修行もどんどん進んでいるのだ!今日はそんなにもお店は混まなかったので「チーフ!焼きなすを作らせてくださぁ〜い!」と頼んで作ってみた。「あち、ち、ち、ちぃ〜!」と叫びながらの皮向きだったのだ。グリルで良ぉ〜く焦がされて真っ黒になったナスちゃんをまな板の上で転がしながら皮をむいて3当分に切る。そしてスペシャルソースで仕上げる。しかし初めてのチャレンジな訳でどうにもこうにもまとまらない。見かけはいまいちだったがとりあえずお客さんに出したのだ。「ん〜ん、これはもう少し頑張らなくては...」と思った。見た目も味のうちとは良く言ったものだ!来週からはいよいよメインの方の位置で働かなくてはならないのだぁ〜!(今はアシスタントポジションなのだ!)何だか今から緊張して心臓がバクバクいってるぞぉ〜!しかし男は度胸!行くしかないでしょう!エイ、エイ、オォ〜!

さぁ〜と、今日も引き続きおもしろ特集なのだ!それでは読んでもらおう。第2部、始まり、始まりぃ〜!

ある日の事である。一人のおじさん(日本人ではないのだ!)がひょっこりと店に現われて、お店が混んでいたためグリルのカウンター席に通されメインポジション(いつもチーフが居る場所)の真ん前に座った。眼鏡をかけ、チェックのよれよれのシャツにベージュのチノパン姿だった。そして何だか落ち着きが無く辺りをキョロキョロしている。ウエイトレスがオーダーを取りに来て注文を取った。どうやらステーキを食べてくれるらしい。あれっ、いきなりウエイトレスが赤ワインをボトルで持って来てついでるではないか!「ひ、一人で全部飲むの?」と思いつつ混雑していたので他のオーダーをせっせとこなしていた。彼のステーキも仕上がりテーブルへサーブされた。物静かに途中まで食べていたが1人では寂しいのか、しきりに他のグリルの人に話し掛けている。その時もう1人のグリルの人が俺の所に来て聞いて来た。「あれ見てよ!やっぱりおしえてあげた方がいいかな?」と、ふとお客さんを見ると俺は「やべぇ〜!」と思わず声をあげてしまった。そのお客さんはステーキはフォークとナイフで切って口の中放り込み、ご飯を食べる時は割り箸を使っている。と、ここまでは他国の人達はよくしていて何も不思議には感じ無かった。それにお店ではプレートにご飯はよそわないで、お茶碗で出している。他国の人の中には日本ではお茶碗のご飯は箸で食べるという自分なりのマナーがあったのかもしれない。たぶん、日本人なら面倒くさいのでフォークで直接ご飯にいくだろう。(俺ならいっちゃうのだ!それもありでしょ!)だから、彼はフォークとナイフそして箸といちいち持ち替えて食べていた。しかし問題はフォークとナイフの置き場所は彼は知っていたが、肉にいく時に箸をご飯の中心に垂直にそろえて立ててるではないか。(日本では誰かが亡くなった時にしかやらない例のヤツである)それもお店のごはんは山盛りでくるのでまさに例のヤツである。俺ともう一人のグリルの人で「縁起悪ぅ〜!」と口をそろえて言ってしまった。しかしサービス業としては注意していいものか?もし相手の気分が壊れたらどうしよう?と考え込んでしまった。結局、忙しくておしえてあげる事も注意する事も出来ないまま彼は食べ終ってしまったのだ。彼はウエイトレスに「チェック!」と言いクレジットカードを出した。しかしウエイトレスがすぐに戻って来て「すみません、このカードは使う事が出来ませんでした。もし他のカードがあれば承りますが...」と、ニッコリ笑って言った。彼はおかしいなぁ〜と首をかしげながら他のカードを財布の中から探して彼女に渡した。それはどうやら使えたようだ。しかしまたもや彼の顔色が悪い。「どうかしました?」と彼にウエイトレスが聞くと「最初のカード、これ俺のじゃない!いったい何で違う人のカードが俺の財布に入ってるんだ!まさか、新しいルームメイト?」とブツブツと言っている。俺らは2人で「きっと、ご飯に箸をたてたからバチが当たったんだぁ〜!うんうん」と横目で彼を見ていた。彼は帰りぎわに「これから俺、映画のナイトショウを見にいくんだ!」と言って、残った赤ワインを俺達にくれて笑顔で店を出て行った。それから数分後、ウエイトレスがさっきのカードの支払い明細書を取りにカウンターにやって来た。「あぁ〜!どうしよう!」と彼女は動揺していた。「えっ!どうしたの?お金たりなかった?それとも何か...」と聞いたら彼女は「あのお客さん、カード忘れていった。どうしよう?でもきっと、戻ってくるよね!」と言い混雑の中に消えて行った。またもや俺達2人は「やっぱ、箸立ての威力は凄すぎるぅ〜。バチが当たったんだ!恐ぁ〜!俺、一生ご飯に箸立てないよ!うんうん」と言って次のオーダーのステーキをジュウジュウと焼いていた。本当に可哀想な人だった。きっと、この分いい事が待ってるからね!お客さん!だから次に来た時にはおしえてあげるよぉ〜〜〜〜!

俺も先日までついて無い事ばかりでたいへんだったが、きっと彼もそういう時期なのだろう。日本にはしちゃいけない事が身のまわりにたくさんあるが、例えば前回のお客さんがしていた「箸と箸で物を受け渡しちゃいけない」(これもやはり亡くなった人の骨を火葬場で拾って骨つぼに入れなくてならないため、普段はしない)といった感じである。世界各国にはたくさんの迷信があるがこの「ご飯に箸立てと箸と箸の受け渡し」だけは俺は守らずにはいられない。たぶん、亡くなった人への生前してもらった感謝の気持ちがあるからだろう。みんなは普段「これだけは守っているぅ〜!」というモノがあるだろうか?考えてみてねぇ〜。それじゃぁ〜寝るぞぉ〜!歯、磨こうぉ〜と。バイバイなのだぁ〜!