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Cスランプと壊れた傘の記憶 |
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<< contents | みんな、みんな、みんなぁ〜!元、元、元気かぁ〜?俺はまだ夏バテしてないぞぉ〜 !みんなで夏を乗り切るぞぉ〜〜〜〜〜!おぉ〜〜〜〜〜! 今日のお店は忙しかったのだ!最近、仕事の度に忙しくなってきてるような気がするのは俺だけかぁ〜!でも、残念な事にチーフがスランプで俺も心なしか元気が薄れたのだ!「チーフ頑張れぇ〜!頼り無いこの俺だけど一生懸命頑張って力になりまぁ〜す!早く元気になってください!」とはいってもみんなも経験があるとは思うけどこの「スランプ」は突然やって来て気分をむしばんでいくいやな奴なのだ。自分では上手くコントロール出来ないため軽いのでは「イライラ、あせり」重くなると「恐怖心、脱力感、疲労感、無気力」などがある。こんな時はただひたすらスランプが終るのを待つしかないのだ。無理をするとかえって落ち込むのでマイペースでいくしかないと思うんだけどみんなはどうだろう?ストレス解消とは少し違うので何かいい解消方法があれば俺が聞きたいくらいなのだ!おしえてくれぇ〜! さてと、今日は少しセンチメンタルな気分なのでそれに付合ってもらうのだ!嫌な人はこっから先は読んじゃダメなのだぁ〜!分ったら元気よく返事を「ハァ〜イ!」と言ってみてくれぇ〜!(オォ〜、聞こえる、聞こえる)それでは、どうぞなのだ! 「ポチ、ポチ、ポタ、ポタ、ボトボトボトォ〜、ザバァ〜!やべぇ〜、お店まで後15メートル!走れぇ〜」と始まった今日。突然の物凄い夕立ちにさすがのニューヨーカーも雨宿り。何で「さすが」なのかって?それはいつも思っていたのだがニューヨークに住んでいる人はあまり傘をささずによく歩いている。みんな濡れるのが好きなのか?それともただ面倒くさいのか?傘を買うのがもったいないのか?いまいちはっきりとした理由は分からないが、俺なりに「どうしてかな?」って考えたところ、それはさかのぼること7年前のある日の出来事を話した方がどうやらよさそうである。 7年前のちょうど今頃のことである。その年は今世紀最大の猛暑で連日40℃を越える日が続いていた。外ではあまりの暑さに子供達が消火栓をブチ壊して噴水で水遊びをしていた。俺はまだニューヨークに来てから1週間もたってなく、やっとアパートを見つけて落ち着いたところだった。しかしアパートとはいえ日本に比べるとかなり部屋は広く、備え付けのでかい冷蔵庫やオーブン、そして大家さんから借りたシングルベットと3人がけのソファーだけだった。「それだけあったら充分じゃん!」って思うでしょう。ところがここにあるものすべてが「いつ、誰が買って、何年使ったの?」と思うくらい古い物ばかりである。よく映画で見る光景で叩くとホコリが煙りとなって出てくるまさにあれだった。その日は昼過ぎから雨が降り出していて、とても止む気配が無かったので、仕方なく1日中クーラーも無いジメジメした部屋で掃除をしていた。それもそのはず、前の住人はきっとアメリカ人だったのだろう。床中に砂が落ちていた。もちろんアメリカ初上陸の俺でさえもアメリカの習慣である「土足」は知っていたが汚く思えてほうきでシャカシャカしまくっていた。そしてその日は湿気と暑さで寝つかれぬ夜となった。 次の日、近所の商店街まで買い物をしに水たまりをよけながらながら歩いていった。そしてある交差点まで来て気が付いた。「まただ!また捨ててある。いったいどうしてだろう?」そう、俺の見たものは無惨に壊れた「傘」である。ニューヨークは交差点ごとに鉄網のクズカゴが設置しあり、俺はこの通りまで7ブロックぐらい歩いたがすでに3本の壊れた傘を見た。「みんなもったいないなぁ〜!すぐ捨てて」と思いながら目的地まで「壊れ傘数え」をしながら行った。そして買いたい物が無事見つかり、帰ろうと思った瞬間「ポチッ」と肩に水が1滴と思いきやたちまち「ドバァ〜!」とバケツをひっくり返したような雨がお店の窓ガラスを思いっきり叩いていた。「どうしようかな?早く帰りたいなぁ〜。そうだ!傘を買おう」と思い店内に戻って傘を買い求めた。俺は「どうせ帰り道だけしか使わないし一番安い傘でいいや!」と1本$3の折り畳みの傘を買い、さして帰った。ところが雨どころか風もすごく雨が横から降って来ていた。そして荷物が重かったので傘の位置がずれた瞬間、強風のため傘がめくれ上がってあげくに中のスチールの骨がすでに数本折れていた。「なんだよ、これぇ〜!」とブツブツいいながら結局、家にはたどり付いたものの傘はボロボロでしょうがなく家の前のクズカゴに捨てた。「こ、これだ!みんな傘を捨てる訳は...」そうなのである。ニューヨークは大雨と強風はセットになっているので、いい傘を持っていてもすぐに壊れるためみんな$3傘を買ってるらしい。そして、この$3傘もすぐに壊れるので多分もったいなくてみんな傘をできるだけ持たないのだろう。(本当かな?うぅ〜ん分からん!) 俺は時々夏になって「壊れた傘」を見ると7年前の「あの俺にとっては最初の熱くて忘れられない夏」が記憶からよみがえってくる。初めてスーツケース1つでやって来たアメリカ。見送ってくれた友達に「危ないから、気をつけろ!体にもな!」って言われて出発した成田空港。汚い借りたベッドの上にバスタオルを敷きバッグを枕にして寝たこと。英語が話せなくて買いたい物も買えずお腹をすかせて帰って来たこと。友達が1人もいなくてちょっぴり寂しかったこと。牛乳のガロンの容器を見て大きくて「さすがアメリカぁ〜!」って感動したこと。汚い地下鉄へ乗る恐怖。タクシーに乗ったら観光気分で何だかウキウキしてたこと。ちょっと匂うドルの紙幣、そして人。何もかもが新鮮で、眩しい思い出だったなぁ〜。今のように何でも思い通りいかず、苦労したけど楽しかった!数えきれないぐらいの新しい体験をしてきたが、いい事ばかりじゃ無かった。けれど7年という時間がきっと自然に思い出を育ててくれて今の自分がここにいるような気がする。そして最近思う事は「次はいつ、またこんな気持ちになれるのだろう?」と思いながらたんたんと日々は続いていく...。 今年もたくさん「いい出逢い、体験」をして頑張るぞぉ〜!過去の自分のいい思い出に負けないぐらいビッグなヤツを...。みんなも頑張れェ〜!それじゃ〜な!今日は思い出といっしょに寝るのだ!おやすみぃ〜〜〜〜! |