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新聞デビューと読めない行動

<< contents やったぁ〜!またもや凄い体験をしてしまったのだ!なんとニューヨークポストの新聞にお店が写真付きで紹介されてあげくに俺がシェフとして写っているではないかぁ〜!このお店で一番ペイペイのこの俺がぁ〜!お店のみんなぁ〜ごめん!(08/02/2000付け)だけど、ごめんごめんと思いつつも新聞を2部も買ってしまったのだ!またもや、ご、めぇ〜ん!仕事でお店に行ってなるべく新聞の話題に触れないようにしてたんだけど、いきなりチーフが「新聞見たぞ!写ってて良かったなぁ〜!」って言い出して、それを聞いてた他の従業員も新聞の話題に参加して来て「本当にすみませぇ〜ん!」って言ってしまったのだ!でも、この記事のおかげか連日ステーキを食べに来るお客さんがいて、もうぉ〜へとへとなのだ!まぁ〜この話題はこのぐらいにしてと...。さぁ〜て今日は何を話そうかな?とりあえず読んでくれぇ〜!暗くなりたく無い人はここから先はパスしてくれぇ〜! ある週末の事である、俺は仕事を終えてテクテクとマンハッタンのラファイエットストリートを歩いていた。突然、まわりの景色が目に飛び込んで来て妙な雰囲気になった。それと言うのも、まわりの路上の人達がみんなお洒落をして街を歩いている。今まで仕事に追われ、疲れ切って帰っていたので気が付かなかった。それも楽しそうに笑ったり、抱き着いたり、酒の匂いがこの熱さで匂ってきたり、フライヤーが散乱していて汚い路上だったりとそれはもうたいへんな事になっている。俺はこの3ヶ月の間、こんな人込みの中を毎回通り抜けて帰って来た事に気が付いた。俺の仕事はもとはと言えばファッション関係だった訳だったが急に自分の服装や匂いでみじめな気持ちになったのだ。シェフは仕事帰りはいつも食べ物の匂いが体に染み付き、あげくに汗臭い。特にグリルともなればそれはもうたいへんである。油、肉、汗の匂いが着替えてもどこからともなくして来る。とてもこの格好でお洒落なバーで1杯と言う訳にもいかず欲求を押さえながら地下鉄の駅までひたすら歩いて行く。もう日本を離れてから7年が経つが日本はどうなっているのかとふと考えてしまった。海外に住むだけで俺らは外人になり毎日が目に見えないストレスとの戦いとそれにも負けないぐらいのパワーが要求される。 楽しい事もたくさんあるが悪い事もたくさん起きるニューヨーク。どうして俺はこの街に住んでいるのか時々考えてみるがいまだに結論もでないまま、またこうして生活をしている。 自分の駅に付いて外に出るとビル風が容赦なく体にぶつかってきて俺は子供のオモチャのようにフラフラとアパートまでまた歩く。いつもならすぐ家に帰ってシャワーを浴びて寝る所だがその日はなんだか寝つけそうに無かったので近くのベンチに腰を降ろし、大の字になってみる。そして目をつぶり、まわりの音を聞いてみる。とても静かだ。木のざわめき、たまに通る車の音、目の中にチカチカする信号機のネオン、小動物の動きまわる音、風が耳のそばを通って行く音、ゴミが舞っている音、ベンチの古い木の感触、そして熱さと湿度でむせ返る街の匂い。そうこうしていてふと空を見上げて見ると少ないが星が光っていてそのそばを雲が物凄いスピードで流れている。そんなまわり音や景色が俺の疲れた心や体に何かうったえてきてるような気がしてしばらく俺はそこに居た。一人で生活するのも悪くはないがこんな夜は何だか人恋しい気分になる。何も言わずただ二人でよりそっていたい。俺はそこに30分もそうして居た。我に帰っていくら安全な場所とはいえニューヨークの夜中の3時である。俺はアパートに帰る事にした。 アパートに帰ってエアコンのスイッチを入れて、コーヒーを作りベットに転がる。急に友達の声が聞きたくなり電話をしてみたがこんな日に限って誰も出ず少しイライラする中とりあえずシャワーを浴びる。シャワーを浴びていたら急に寂しくなり少し泣いてみる。シャワーが少し塩辛い。俺はバスタブの中にうずくまりそのままシャワーの中に居た。目を開けると今までとは全く違う視線と景色に気が付き新鮮さを感じた。「これが俺が使っていたバスタブなのか?」と思い感触を手で確かめてみた。シャワーを終えてベットの中にもぐり込んで寝ようとするが寝る事に集中すればする程目がさえてくる。今さら羊を数えて寝れるわけもないので、とりあえず目をつぶっていた。今までの事、これからの事を考えてみる。とりとめもない。 俺はこの街に4年近くも住んでいたがこうしてたまには違う角度で物を見てみるのもいいだろう。一言ではこの日の俺の行動を言い表わす事は出来ないがとりあえず何も考えずに書いてみました。人の気持ちとは不思議なものでもしかしたら俺がどう感じるか次第で喜びも悲しみになったり、その逆にもなりえるのではないだろうか?人間として生まれて来た事がいいのか悪いのか死ぬまで分からないと思うががとりあえず生きてみようと思った一日だった。そう、ただ生きて見ようと思った...。 つかみどころ無い文章でごめん!なぜこんな気持ちになったのか本当は知っているんだ。その答えは36話で話す事にしよう!おやすみ、みんな!