シェフの道ー第39話ー でれでれでれぇ〜と伝説の超わがまま!

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でれでれでれぇ〜と伝説の超わがまま!

<< contents 秋、秋、秋...。いよいよ来てしまったか!秋と言うのはなぜか心にしみるのだ。まっ、秋に限らず季節の変わり目は心も体も何となく不安げでスッキリしないものである。体調も崩しやすいしね。それにあと、4ヶ月で今年も終わりだと思うとあっ〜と言う間の1年だったのだ。なぁ〜んてさ、1人で酔ってる場合ではないのだ!さてさて、今週分も楽しく元気に書くのだぁ〜!気楽に読んでくれぇ〜!始まり、始まり...。

今週のお店は「にっぱちの伝説」通りの展開だったのだ。8月まではやっぱりだめだったが、9月に入った途端にまたもや炸裂ぅ〜!!雨と猛暑でニューヨークは湿度が高くまるでサウナ状態。と、思っていたら案の定お店もサウナを通り越して蒸し風呂状態で(おなじかサウナと?)チーフと2人でぐったりしていた。仕事が忙しい上に蒸し風呂じゃぁ〜ねぇ〜。でも、もう少しの辛抱なのだ。もう少しでお店にとっては「素敵な冬」が来るのだ。夏生まれの俺には冬はしんどいがこうお店が熱いとなぜか嫌いな冬が恋しいではないかぁ〜。さてと、3本立てを読んでもらおうぉ〜!

今週の3日間は盛り沢山だったのだ。まずは28日にはあのタレントの「ちはる」がお店に来てしゃぶしゃぶをお友達かマネージャーか分からんが食べに来てくれた。「ちはる」と聞いてすぐに思い出せない人はウッチャンナンチャンのキャラクターの「ミモー、マモー」ではどうだろうか?ちはるがミモーかマモーかは記憶にないが...。それでも思い出せない人はごめん!さてと、ちはるが来てくれたまでは良かったが何だかチーフの様子が変だ。「チーフ!どうしたんですか?」『実は俺、ちはるのファンでさ、写真とかいっしょに撮ってくれないかなぁ〜』「行ってくればいいじゃないですか!」『よっしゃぁ〜デザート出して写真撮ってもらうぜぇ〜、じゃぁ〜ちょっと行ってくるからあと頼むぜぇ〜!』「あのぉ〜次のステーキはぁ〜?」『勝手にやっておいてよ!そんじゃぁ〜なぁ〜!』と奥のキッチンに消えていった。そして15分もしない内にチーフが巨大なトレーにデザートを乗せてさっそうと俺の目の前をニコニコしながら横切って行くではないかぁ〜!その後、チーフの希望が叶い楽しい会話と写真撮影は無事終了した。問題はその後だった。ふとチーフの顔を見るとでれぇ〜と鼻の下を延ばして無気味な笑顔を浮かべているではないか!『あぁ〜今日はいい日だったなぁ〜。充実した1日だった、うんうん!』って1人で納得していた。「お客さん!こんなチーフですけどこれからも宜しくお願いします!チーフにかわり挨拶させてもらいます」そんなこなんなの1日だった。

さてと、29日は初の「まかない作り」だった。総勢20名の夕食をまかされた俺は実は1週間前から緊張していたのだ。とりあえず、恐いもの知らずの俺は「コーンクリームシチュウ(ミートボール入り)」にチャレンジした。しかし、なぜ恐いもの知らずかと言うと今回はシチュウのルウを使わずに小麦粉からルウ作りを企画。何と無謀な見習いと自分で思いつつ頑張ったのだ。が、予想通りあまりの量の多さにどのぐらいブイオンを入れていいか分からず悪戦苦闘だったが何とか出来た。しかしそれは正直いってあまり美味しいとは思わなかった。原因は「量の感覚がつかめなかった。クリームチュウにはビーフは合わなかった。厨房の調味料が普段使っっているものと味が違った。」などなど...。この「まかない作り」はこれから当分つらい試練になりそうなのだ。ちなみにグリルは毎週火曜日が当番なのだ。そんでもってまたもや次の火曜日も俺が作ることになり「つぎこそは!」と鼻息が荒い俺なのだ!この2回目の「まかない大作戦」については次の週で紹介するので楽しみにしてくれぇ〜!

9月1日は上記で書いた通り、倒れるくらいの忙しさで「誰かぁ〜手伝ってくれぇ〜!」と叫びたいくらい疲れたのだ。しかしまたもや変チクリンな出来事があった。それは、キッチンの従業員が誰の許可も無く突然テレビつきCDラジカセを持って来てテレビを見ながら仕事をしてるではないかぁ〜!
俺ったら「オーナー知ってるのかなぁ〜?キッチンのチーフは知ってるのかなぁ〜?」と心配していたら案の定「持ち帰り」の命令がキッチンチーフからくだされた。しかし、彼は持ち帰らずラジカセを置いていたら2度目の警告が言い渡された。彼の言い分は「テレビはつけないからせめてラジカセを置かせて欲しい」との要望。しかし、上の人の意見は「目を盗んでつけるに違い無い」と疑いのまなざし。どちらも一歩も譲らない。そして、3回目の忠告でこの従業員は「だったら、店を辞める!」と行って出て行った。出て行った直後にたまたまオーナーと会い引き止められた。なぜオーナーが引き止めたかと言うと「今月、キッチンの従業員がバケーションを取るため人手不足なんだよな!」と単純な理由だった。が、他の従業員のほとんどは「ラジカセだめだ!って言われたぐらいで普通辞めるかな?それも40過ぎの独身の男が...」とみんなあっけに取られていた。ちなみにこの従業員は日本人では無い。と、まぁ〜こんな話だったのだ。しかし納得いかん!この神聖な職場に「テレビ?」感覚が違い過ぎるにも程がある!みんなはどう思う?とムカムカの1日だったのだ。彼の評判は間違い無く下降したのはいいけれど、とんだハプニングでみんなぐったりだったのだ。

とまぁ〜こんな1週間だった。「楽しい事もあれば辛い事もあり。180度違う感覚の従業員との共同作業。」こんな人間模様の渦巻くレストランで今日も修行の俺だった。みんなの職場もいろんな事があると思うが頑張って乗り越えよう!「辛いのはあなただけじゃ無いのだ!」と分っていても体が思うように動かない!うんうん、分かる分かる!とりあえず、来週も何事も無かったように気を入れ替えて頑張るのだ。そんじゃぁ〜寝てやるぅ〜!ウオォ〜!バッタン。 
                  ーおやすみー