シェフの道ー第50話ー 50回記念と14年がかりの実験!

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50回記念と14年がかりの実験!

<< contents 「やった!やった!やったぁ〜〜〜〜〜のだ!」ついに数える事この「シェフの道」もちょうど50回目なのだ。おまけに11/15/2000でこれまた、ちょうど仕事を始めて半年になり俺にとっては記念日なのだ。(早かったような、遅かったような...)この半年の間にいろいろな事件や出来事があったのだ。今回はそれを少し振りかって見ようかと思う。さぁ〜てバリバリ書くのでモリモリ読んでくれぇ〜!

と、その前に恒例になりつつあるニューヨークの先週のお天気は「晴れてはいるが風が強くて寒いのなんのって...。」って感じだった。しかし今月末にあるサンクスギビングを待たずにすでに街中にはクリスマスの電飾が施され「もう年末なんだなぁ〜」と言う雰囲気をかもしだしてるのだ。去年は友達といっしょに「パーティー!パーティー!」と盛り上がったが今年は「仕事!仕事!」でロマンティックにはほど遠いのだ。今年は楽しむ方では無くて楽しませる方にまわってしまったのだ。お客さんが「クリスマスディナー」を食べている時に俺はきっと「まかない」を食べている事だろう。(何だこの差はぁ〜!)まっこれも修行のうちだと思って今年は我慢なのだ。こんな事いってる場合では無いのだ。本題に戻るぞぉ〜おりゃ〜!(突然しんみりになるけどゴメン!)

思い起こせば半年前、俺の友達に励まされ勇気を振り絞って転職してこのシェフの道に入った訳だが、本当に頭の中が180度変わったのだ。今までのデスクワーク(頭を使う仕事)から肉体労働(体力勝負)そして1人でやってた仕事から団体行動と全く違った世界にどっぷり入ってしまったのだ。最初の餃子作りからソース作り、ステーキの焼き加減にメインでの初仕事、まかない大作戦にデザート作りそしてハロウィンでの仮装。ニューヨークライフでは地下鉄やタクシーで襲われたり、置き引きに空巣そして自分自身の中の葛藤との戦いと波乱万丈の半年だった。このホームペイジに書くようになってから余計にいろいろな事が起こり、読者のみんなには「嘘くせぇ〜!」って思われたかもしれないが全部本当にあった事なのだ。俺自身もびっくりするほど大変だった。でも1人でもこのページに来てくれている限り書き続けたいと思っています。今だに掲示板(アナコミボード)は人気が無く寂しいがきっといつか書いてくれる事を願っています。「ひろ!頑張れぇ〜」とか書いてくれたら最高の幸せなのだが...。(とりあえず気長に待つ事にするのだ!)

さてと今、俺が感じていたり考えている事を今日は「ここまでは...」と言う名目で正直に書いてみようと思う。確かに30歳過ぎの転職は体力、知力的に無理があったかもしれない。体力はみんなも分かると思う。では、知力はどうだろう。記憶能力の低下を感じたり、自分が30年間生きて来た知識や経験が時には邪魔になり素直に慣れずに意見したり、その人のためだと思って意見してもそれは大きなお世話と思われたり、誰かに相談すれば次の日には全員がその事を知っていたり、どこまで仲良くなってどこまでで相手との距離を保つのか、どこまで信じてどこまで信じないのか。とにかく大変だった。自分が20代前半の頃は何か失敗しても「ひろは若いからしょうがない」と許してくれた事が同じ新人なのに30代には通用しない。俺のやった事すべてが自分の責任になり(この業界では中身はひよっこなのに)その技術をすぐに習得できない事がまるで自分の人間としての評価を否定されているような気がする。年令とは実にリアルに自分にぶつかってくる。

では年令の話が出たので貴重な体験を書く事にしよう。それは俺がまだ19歳の頃の話だ。俺はある30歳近い年令の人達と食事に行く事になった。その席で何の話題だったのか思い出せないが議論となった。俺には自分の意見があり若かったけれどきちんと意見をした。しかし俺の意見は見事に却下され「ひろは若いからまだ分かんないよな、きっと...」と言われた。しかし俺はその時の自分の意見に自信があった。それはきっと俺の意見が通らないのは「俺の年令に関係しているのではないだろうか?」と言う疑問がその議論の前から感じていたのだ。俺はその時にこの同じ意見を25歳過ぎてからもう一度誰かに言ってみよう。そして30歳を過ぎたらまた誰かに意見してみようと忘れぬように心に刻んだ。これはいわゆる自分自身への実験だった。年令における意見の受け取られ方を俺はどうしても知りたかったのだ。さて、時はそれから6年が過ぎお約束の25歳が来た。ある30歳ぐらいの人に同じような内容で議論になり待ってましたとばかりに19歳の時に意見した内容と同じ意見をしてみた。結果は「若いのによく考えてるね」と言われた。それが30歳だと「そうだよね、分かる分かる全くその通り!」と言われた。もちろん言った人の性格もあると思ったのでその年令の時に数人に同じように実験してみた。このように人間とはその意見とは関係ない情報の記憶によって考え方や意見を替えて話している事に俺は気が着いた。(いわゆる先入観なのだ!)確かに「話し方」もあるだろう。若いのに表現力や説得力のある言い方されれば少しは耳を傾けるだろう。しかしほとんどの人がこれをする事が出来ない。だからこの時から俺はなるべく「年下、年上」を気にしないで意見を聞くように心掛けをしている。みんなはどうだろう?

ふぅ〜!とまぁ〜俺は今の自分がしている事に多少の疑問はあるが前にもう少し進んでみたい気がする。考える前にまず実行!きっと続ける事によって何かが見えてくるはずなのだ。自分にとってこのシェフの道の本当の意味が...。それまでは深く考えずにただ前に進むのみである。正直言って店が凄く遠くに感じる事もしばしばあるが、もっと苦労している人の事を考えて頑張るようにしている。みんなもいろいろあるとは思うがもう少し前に進んでみよう!同じ所に立っていたら何も見えないし何も進まない。結果を恐れずに勇気をだして前に進もう!俺といっしょに...。

それでは最後に50回目の俺の連載の感想は「シェフのイバラの道」って感じです。それではニューヨークではまたもや風邪が流行っているので気をつけなくては...。そんじゃぁ〜また来週、元気であおう!バイバイなのだ!