シェフの道ー第56話ー 今世紀最後のシェフの道!

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今世紀最後のシェフの道!

<< contents みんなぁ〜!元気に師走を楽しんでるかぁ〜!それよりも寒すぎて死ぬぅ〜!って思っているニューヨーカーの皆さん御苦労様です。「オクラホマの方ではこの水っぽい大雪のせいで氷が張り付きその重みで電話線が切れたり、木が倒れたりとたいへんな災害を引き起こしているようです。テレビでは今年の年末年始にニューヨークに大雪警報が予告され心配されています」と、のんきな事を言っていたらドガガァ〜ンと振ってるではないかぁ〜!積雪は多分25〜30cmだぞ!ニュ、ニューヨークがたいへんな事になっているのだ!俺は12月30日から6日間のお休みなので良かったのだ。きっと電車も止まって外は大変な事になっているんだろうな。気持ちだけ雪かきしたつもりでザクッ!バサッ!ザクッ!バサッ!と書きまくるぞぉ〜!おぉ〜!それではどうぞ...。

クリスマスと言えば恋人達にとって最高に盛り上がる一つのイベントのはずなのだが、どうやらここアメリカ違うようなのだ。先日従業員の女の子に「いいなぁ〜彼氏がいて、クリスマスはどこかに行ってディナーするの?」って聞いたら、な、なんと返って来た言葉が「私の彼氏アメリカ人でしょう、だから彼は実家に23日から帰るんだよねぇ〜。あぁ〜何だか暇だぁ〜。ひろくんクリスマスの日空いてる?一緒にご飯食べに行かない?」って...。(俺は営業じゃ!このたわけ者!)そうかアメリカ人のクリスマスは日本人にとってのお正月なのか。クリスマスには家族全員そろってディナーをする。日本人はクリスマスよりもお正月の方がファミリーにとって大事なイベントなんだった。日本人がアメリカに来て日本気分でクリスマス、クリスマスなんて楽しみにしてるととんだ痛手が待っていると言う訳なのだ。と言う事はアメリカに住んでいる日本人がアメリカ人の彼氏、彼女を持つと毎年クリスマスは1人で過ごさなければならないのだ。うぅ〜今さらながら何だか納得できない寂しさが心にしみてくるのは俺だけか?クリスマスに好きな人と過ごせないって事よりも家族のだんらんを考えるともっと寂しくなるのだ!「日本は遠いぞぉ〜!父さぁ〜ん!母さぁ〜ん!今度は必ず帰るからなぁ〜!」

さてさてちょっと遅れたがお店のクリスマス営業の話だが、これまた何とつまらぬ営業だったのだ。お客さんは予約までして来てくれたのだが、これってクリスマスって感じだった。店内にはクリスマスソングが流れ、2メートルものツリーが飾られているものの自分は相変わらずステーキとの戦いでこんなクリスマスは始めてだったのだ。なにせフリーで仕事をしていたのでイベント好きの俺は仕事を調整してまでパーティーをしていた。こんな寂しいクリスマスは始めてで戸惑いが隠せず思わずウエイターの子に「ちょっと飲みに行かない?」って聞いたら「行きましょう!」と言ってくれた。俺達はそうこう言ってもアメリカではクリスマスの日はどこのお店もクローズでこの夜中にやってる所と言えばやはり「焼肉ジュウジュウ煙りでゲホッゲホッ韓国レストラン」ぐらいのもの。俺達はこのマイナス気温の中、温かいチゲ鍋をマッチ売りの少女の様な、いでたちで、もとい、の気分で想像しながら足早に歩いたのだった。店内には他のお客さんが約1組いただけでこれまた何とも寂しい...。しかし俺達は2人で飲めや歌えの大宴会まではいかなかったが盛り上がったのだ。食べ終ったら今度は恐ろしい程の眠気が襲って来て俺達は明日の仕事の事を考えて退散する事にした。あぁ〜つまらないクリスマス営業とプライベートだったのだ。きっと彼が食べに行ってくれなかったら「クリスマスっていつだったの?」とさえ思っただろう。本当に持つべきものは友である...。

さてと5日連続のお勤めも無事に終ったのだが...。またもや帰る途中で緊張感が走る出来事があったのだ。それはまたもやあの落花生男(49話、52話)が出現したのだ。歩道の脇に立って寒くて手をあげるのもいやなのでモジモジしていたら変な根性が湧いて来て、はりきって「イエェ〜イ!」と手をあげてみた。止まってくれたキャブの中に入って「ハロー!」と言ったまでは良かったが何だか見覚えのある横顔。「ゲッ!ま、まさかあの落花生男!知らない振りをしなくちゃ!でもこいつ捕まったんじゃないのか?いや今、俺の目の前で運転しているではないかぁ〜!どうしよう!じゃぁ〜あのテレビの男は何者だったのだろう。すごぉ〜く似てるのは俺の気のせいか?」とブツブツ声にする事も出来ず心の中でブツブツ言っていた。「とにかくアパートまで無事に着きますように...」と願いながら20分間沈黙との戦ったのだった。幸い何事も無く家に辿りついたものの、何だか背中に冷たいモノが走った。今だから言えるのだが、友達と店を出る寸前に友達が俺に「キャブドライバーに襲われようにな!」って言われていたのに...。本当についてない話である。こんな偶然がみんなにもあるのだろうか?好きな人には会えず、嫌いな人とばかり出逢ってしまうような事が。

おぉ〜とここでニュース速報!突然だがアメリカの移民の法律がブッシュ大統領になってから変わったぞぉ〜!イリーガル(不法)の皆さぁ〜ん、お待たせしました。嬉しいニュースです!イリーガルの人でもスポンサーを見つける事が出来ればグリーンカードが申請できるようになったぞぉ〜!詳しい事はこれから調べなければならないが...。とにかくスポンサーを探そう!今が最後のチャンスかもしれないのだ!急げぇ〜、遅れをとるなよぉ〜!

それではみなさん!今年の(2000年)7月4日から始まったこのホームページをたくさん、たくさん読んでくれて本当に有難うございました。この「シェフの道」を読んでくれた皆さんに少しでも多くの元気があげられていたら最高の幸せです。それでは来年も宜しくお願いします!「A Happy New Year!」バイバイなのだ!  
        ー賀正!シェフの道のひろー

*次回新年号は1/7発行です!