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チャレンジ編スタートと初のグリルスペシャル! |
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「へぇ〜〜〜くしょんっ!ごほっ、ごほっ」ってまたもや大風邪を引いたぞぉ〜!今度は鼻水、咳き、たん、頭痛。なんてこった。ニューヨークは連日の雪で寒くて死にそうなのだ。風は木が折れるほど強いし、おまけに道路はスケート場。昨日なんてサブウェイ乗ってたら気が付かないうちに鼻水が流れていて汚い話だが口に入った塩気で「ゲッ鼻水が!」って、もう助けてくれぇ〜!(そんな経験ある?)熱もグングン上がって止めるために飲んだアメリカの強い風邪薬のせいでナチュラルハイになってまぁ〜す!(ラン、ラン、ラン)さぁ〜この倒れそうな勢いで今週分もフィギュアスケートの3回転半をきめた勢いでス〜カァッ!グルグルグルちょいガァッ!ス〜〜と書きまくるのだ。それではどうぞなのだぁ〜! お店の前半はすごぉ〜く暇だったのだ。こうなってくると時間の経つのが異常に遅くてついつい営業中に大あくびをかましてしまい、ふとまわりを見るとお客さんが笑っているではないか!チーフに怒られるかなぁ〜と思ってチーフを見たらチーフも俺に負けないぐらいの大あくび。ダメだこりゃ〜と思いつつ閉店時間を待っていたのだ。それと、毎週木曜日の早出もだいぶ慣れて来て頑張っているのだ。最近は誰もいないこの厨房空間(俺の戦場と安堵の場)で自分だけの仕事が好きになりつつある。気分はまるで子供がお父さんのダブダブのシェフコートと帽子を付けてチーフ気取りで遊んでいるようなそんな感じなのだ。(こんな事言ったらチーフに怒られるかもしれない?!) さてと問題の金曜日。いよいよ「ひろちゃんグリルスペシャル第1弾はマグロのたたき(ベルペッパー&ブルーチーズわさびソース)」にチャレンジ!とかっこ良く言ったはいいがたいへんだったのだ。「スペシャルを作ってもらうからな!」と言われて1週間半が経ち俺はこの数日間、ろくに睡眠も取らずにソース&フォンそして料理の勉強をして来た。考えれば考えるほど頭の中が真っ白になっていき緊張のあまり腹痛まで起こしていた。フラフラになったあげくに大風邪を引いてしまい俺は味覚を失った。前日に早出してソースに取り組んだが味が分からず厨房で悔しさのあまり涙目になっていた。その日はあきらめてそして当日を向かえた。その日も当然のごとく早出をしてソースそして素材の仕込みにはいった。さて盛り付け!シンプルな白いさらにオレンジシャーベット色のベルペッパーソースと薄乳白緑色のブルーチーズわさびソースを円形状にボトルから細く描きグラデーションを付け、その中心にマリネしたオニオン、キュウリを敷いた。さらにそのマリネの上にチコリの葉を2枚だけ互いに向き合わせ船型の受けを作り、あらかじめ醤油ベースのソースで付け置きしたマグロをスライスし、グリルの網で軽く焼いた物を葉の上に載せ、本ワサビを少々と香草のディルを飾った。お皿には赤と黄色のベルペッパーを小さく格子状にカットした物を交互に置き完成。そして俺はウエイター、ウエイトレスにサンプルを出し試食してもらった。結果はお店のオープンとともにあきらかになった。我が店はとても忙しいので時々ウエイター達はスペシャルを言うのを忘れる事もあるし、お客さんが「スペシャルはいいから早く頼んだ物を持って来て欲しい」と言われる事もあるらしい。だからお店のスペシャルはせいぜいでても2〜4品である。だから最悪でも1品でも出ればいいと思っていたら、そ、それが何と「9皿完売」となったのだぁ〜!嬉しすぎてまたもや涙目になりチーフやウエイター、ウエイトレスに感謝の有難うを言いに行った。そしてお客さんに感想を聞いてみたら1人はブルーチーズが苦手で、もう1人はまぐろの生は食べれても焼いたのは苦手だったが美味しく食べれたそうだ。また2人が嬉しい事を言ってくれた。「このスペシャルは来週はやらないんですか?」「ごめんなさい。スペシャルなんで来週は別のものになります」「え〜美味しいから友達にも食べさせたかったなぁ〜!」って嬉しいのなんのって。それにスペシャルを作っていたらグリルカウンターに座った60歳前後のアメリカ人のお客さんの奥さん方が「あの〜ちょっと」「はい、なんでしょうか?」「凄く色と盛り付けが綺麗ね。もしね、私がお店を出す事があったらあなたに来てもらいたいわ」って言われて、俺ったら「喜んでうかがいます!」って言ってしまった。でもチーフに言いにいったら「そのためにもビザをしっかりしなきゃならんぞ」って現実に引き戻されてしまったのだ。そしてもう一言「風邪を引くなんてプロ意識にかけるぞ。しっかりしろ!」しかし俺は厳しい事を言われつつも、えも言われぬ感動に酔っていた。初めての俺のスペシャルは見事に大成功に終った。 この場を借りてもう一度言わせて下さい。「各セクションのチーフ、ウエイター、ウエイトレスの皆さん!そしてグリルのチーフ本当に有難うございました。そしてシェフの道の読者のみなさんの見えない力と応援、有難うございました。大勢の方に見守られて俺って超幸せ者です。これからもこの初心を忘れず精進します。」 追伸:シェフの道の「ベーシック編」から、いよいよ「チャレンジ編」に突入したのだ。タイトルの表紙の葉っぱの色も少し紅葉して何だか日々成長してる感じが伝われば幸いなのだ!これからも頑張るのでみんなも応援頼むぞぉ〜!それじゃ〜来週までバイバイなのだ!風邪引くなよォ〜!(へぇ〜〜〜くしょんっ!俺か?!) |