シェフの道ー第66話ー 決め手はネーミングとChitchat Vol.1(No.1/3)

leaf
決め手はネーミングとChitchat Vol.1(No.1/3)

<< contents みんなぁ〜!元気に喜怒哀楽してるかぁ〜?!俺はすっかり疲れはててるのだ。最近、仕事に入って閉店真際になると電池が切れたのではないかと思うほど無気力が襲って来て、チーフに「しっかりしろ!」と言われてます。ほんと、しっかりしなくちゃ。やっぱり疲れがたまっているのかなぁ〜?疲れてると集中力が無くなるから事故にならないようにしなくては。うんうん。

さてとニューヨークの天気は物凄い大雪の後はすっかり快晴にもどったが、まだまだ風は冷たくコートやマフラーは必要だけど気持ちのいい日が続いてるのだ。今週からいよいよ春の足音が聞こえてくる気配がするぞ。花粉症の人には辛い時期だが負けずに頑張ってくれなのだ。

ほんでもって、今週のお店はニューレコードに追い付かんばかり売り上げを続けております。そして2週間前にまたもや値上げをしたにもかかわらずお客さんはモリモリ来ていて、まさにうちのお店は「飛ぶ鳥を落とす勢い!」になっているのだ。(ちなみに俺がこの店に来てからもう10ヶ月経つが、これで2回目の値上げ!)話は変わって、お楽しみのひろちゃんグリスペ第7弾は「グリルドはまぐり(醤油バター&梅しそソース。海藻&梅しそライスクラッカー添え)」だったのだ。お陰様で2皿出ました。やはり我がレストランはお肉が美味しいと評判なのでメニューには寿司意外では魚貝料理が少ないからこれは使えるかもしれないのだ。(この意味は生ではなくて焼いたり、煮たり、揚げたりした魚貝メニューが少ない事)また来週も頑張らなくては。しかしスペシャルは本当に難しい。バーテンダーの女の子に聞いたらアドバイスを一言くれた。「ひろさん、スペシャルはネーミングですよ。だってメニューに載っていないからお客さんは食べた事も見た事も無い訳だし、忙しいさなか1人1人に長々と説明してる暇はないですからね。と、なってくると一発で味が想像できるネーミングがポイントだと思います」う〜ん、なんとも適切な意見!まぁこのアドバイスを取り入れながら来週も頑張るのだ。おぉ〜!

さぁ〜て!今回はシェフの道、初の試みでゲストを向かえて対話形式でニューヨークに住んで感じた事、価値観が変わった事など、リアルタイムでの感想、意見を聞いてみようと思うのだ。その名も『Chitchat(世間話)』なのだ!今回第1弾にお迎えしたのはニューヨーク在住4年目「悪魔っ子、キャサ子ヘルムトさん」の登場だ!どんな素直で華麗な毒舌を披露してくれるのだろう?!それではどうぞ。
(あまりの対話の長さなので全3編でお送りするのだ。)

*第1回目「ニューヨークって?!」

(2人とも何か堅苦しい状況の中からスタート)
ひろ『キャサ子さん、簡単な自己紹介となぜニューヨークに来られたのか、おしえてください』

(キャサ子迷惑げに...)
キャサ子「あーめんどくさー、自己紹介は省略。ただ単に遊びに来ただけさ。」

『では、いきなり本題に張り倒したいですけど、あっ間違えた!入りたいんですけど。(おびえてキーボードはまともに打てんのだ)えぇええっとニューヨークに来たばかりの頃と4年経った今ではニューヨークに対する味方は変わりました?』

「最初の頃はやはり予想通りの都市だったんだが、というのもとにかく、アメリカの事馬鹿にしきってたからねー。日本がやっぱ一番でしょ、仕事柄むしろヨーロッパ至上主義だったしねー。だが、、、最近好きになってきたんだよね、長くなるのでやーめた。」

『キャサ子さんって、どんな業種の人なんですか?それと最近、好きになってきたってどこがどう言うふうに好きになってきたのかなぁ〜?例えば街自体、それとも文化、それとも男でもできて価値観が変わったとか?』

「単なるオーエルでーす????一口には言えんが、NYってなんにも洗練された物がない、特にあらゆるアート(音楽、ファッション、等)個人的には建築に対しNYの都市の武器、クールな象徴で好きだが、多くの人々はNYイコールマンハッタンだと勘違いしてると思われますが、NYってめちゃ巨大なんですよ、少し都心から離れるとアトランティックオーシャンと森で構成されてる大自然がはてしもなく広がってるんですよ。またそこに住む人々もその自然にやさしく解け合っている。おそらくNY都心で戦う為にはそのエネルギーが必要なんではと私は解釈している。男?ですか?自慢じゃあないが一応ハンサムな彼がロングアイランドという美しいコースト沿いにいますがな。」

『(ハンサムな彼がいる事にはあえてふれず)キャサ子さんが感じる今時点のニューヨークとは?』

「NYはもっともプライド高き都市かなー。つまらん対話じゃなー。NYってというよりもアメリカって多種多様の人々で成り立っており深いカルチャーがないが、あえて言えばブラックが独特のカルチャーを創ったかな?でも最近、ブラックって強気だと感じない?昔は奴隷制から差別され、強いたげられた中からジャズを生み出し凄いと共感を得てたものだったんだが、最近は逆差別の傾向が強く、かなりホワイトが気を使ってんだよ。にもかかわらず、どんどん無茶を要求する。例えばテレビドラマで構成上ブラックが必要ない場合あるじゃない?もうその後大変!ブラックコミュニティからどうしてブラックの役者を使わんのじゃーという抗議のおしかり。そんなー仕方ないじゃあないの。」

(ここで2人とも緊張をとく為に俺はビールを一気飲み、キャサ子は梅酒をこれまた豪快に一気飲みしたのだ...)

『そうそうそうなんだよ。なんかブラックはブラックのコメディーとかホワイトだけで構成されてる番組が多いと思う。俺なんかは早くこんなはっきり区別の無い”これぞ、アメリカ”って感じの番組とか文化が見てみたいのだが、多分俺が生きてる間は難しいような気がする。でもさキャサ子、こんなニューヨークになんでこんなに長い間住んでしまったのかね?』

「あらーそういうあんたの方が倍も住んでんじゃないの。NYって私には以外かもしれないが楽チンなんだわ。もともとナチュラリストなんでね。さっきも言った様にあの雄大で美しい自然とボーイフレンドとの絆ってやつですか?(笑い)」

『う〜ん何とも羨ましいかぎりで、やっぱ俺にもそんな誰か必要なのかな?俺は時々思うね、SEXとかいらないからHugだけでいいから誰かさせてくれないかなぁ〜ってさ。なんか面倒くさい事や言葉抜きで黙って感じられる何かに飢えてるのかもしれないな、俺。それに最初にNYに来た時は誰もいなくて楽チンだったんだけど、こう長く住んでると日本と同じような出来事がまた起こって、これじゃどこに行っても同じじゃんって思ったりして。でも俺って日本が恋しくなった事が無いんだよね。でももっと不思議なのは帰りたいっとは思わず、淋しいなって思う事の方が多いんだよね。ねぇどう思うこの心理?(なんかセンチなムードになって来た。)』

(さぁ、お楽しみの第2回目は「お酒がまわって暴露大会!」なのだ!お楽しみに...)

それでは、来週までバイバイなのだ!